「ハローウィーンって言えばやっぱりトリックオアトリートと仮装パーティだと思うわけね。あ、知ってた?イギリスではハローウィーンにリンゴ食い競争たるものをするらしいよ。なんか見てみたい気もするよね!あ、話は戻るけどさ、仮装パーティはなんていうかいろいろ特殊だしちょっと無理があるけど、トリックオアトリートなら普通だよね。だけどそんなんじゃありきたりだし、どうせならトリックオアトリックみたいな意地悪な質問でもいいと思うんだ。まぁトリートオアトリートとかでもいいんだけど、お菓子かお菓子かって、なんか日本語訳にするとアホみたいじゃん。それなら、悪戯か悪戯か、の方がかっこいいでしょ?ということで隼人、」




Trick or Trick!!






「ということでのわけがわかんねーんだよ!」


離れやがれ!と叫ぶ隼人に「隼人には悪戯の選択肢しかないんですー」と言いながら隼人の服に手をかけた。上のボタンを3つほど外して、胸元をはだけさせる。それだけで隼人はフリーズ状態でもう身動きもなにもない感じになってしまっていた。とりあえず顔だけは赤い。視線もあたしの手を追っているようだし、意識はあるみたいだ。にこり、というよりはにやり、と笑ってはだけさせた隼人の鎖骨に顔を寄せる。そこでようやく我に返ったのか、隼人が「っな、なにやってんだてめぇ!」と慌てだした。


「隼人、反応がおそーい」
「っば、ばかやろ…ッ!んなとこでしゃべんじゃねぇ!!」
「え、なんで」
「…っクソ女(息当たってんだよばかやろう…!)


そっぽを向いてしまった隼人に首をかしげながら、ちゅ、と鎖骨に軽いキスをした。それだけで僅かながらに震える隼人に、思わず嫌な笑みがこぼれつつ、今度は強く鎖骨に吸い付く。ストローでジュースを早飲みする、という方法で鍛えた吸引力!と後で自慢してやるつもりで、早との鎖骨にキスマークを付けた。なんかいやらしい、と思いながら顔を上げると、真っ赤を通り越して白くなってしまった隼人を覗き込んだ。


「はーやーとー?」
「………」
「よし、いたずらかんりょ、っうぁ!?」


ぐい、と腕を掴まれて引っ張られる。引っ張ったのは言わずもがな隼人。そのまま隼人の胸へとダイブをしてしまったあたしに、隼人はやっぱり無言であたしの服に手をかけた。さすがに展開についていけず、腕を突っ張って隼人から離れようとしても、いかんせん力が強い。男と女の差、と頭に浮かんできたときには、冷や汗が背中を伝った。


「あ、の…、はやと、さん…?」
「………」


ぷち、ぷち、ぷち。この人どこまでボタン外すんですか…!そう思いながら止められない自分は何もすることができず、ただその動きを視線で追っていた。3個、4個、5個…、結局すべてのボタンを外されて、下に着ていた薄いピンクのキャミソールが見えた。隼人の顔色は伺えず、なんだか不安になってきたとき、ぐい、と顔が鎖骨に寄ってきた。髪が首を掠り、くすぐったくて、思わず息を呑む。はやと、そう名前を呼ぼうとした瞬間、隼人が鎖骨をぺろりと舐めた。びくんっ、と過剰に反応する体をなんとか抑えようとしても、何度も何度も隼人が鎖骨に舌を這わすものだから、抑えることができない。びくびくと跳ね続ける体が面白いのか、隼人がにやり、と笑った気がした。まるでさっきと逆だ、そう思いながら隼人の髪を軽く引っ張った。瞬間、鎖骨を強く吸われた。「っんん、」思わず隼人の髪を掴み、もう片方の手で自分の口を塞いでいた。ちゅ、といやらしい音がして、やっと終わったかと思いきや、隼人はもう一度鎖骨に吸い付いた。「っんぁ!」不意打ちのあまりに声が出てしまったあたしに、隼人がにやりと笑った気がした。(ぜったい、きのせいじゃ、ない)その行為が何度も何度も繰り返されて、隼人の顔が鎖骨から離れる。ふ、と息を吐いたあたしにの頬に、隼人の手がふんわりと乗せられた。あたたかいてのひらだった。


「……むやみに、こーゆーこと、すんじゃねぇよ」
「…はや、と…?」


酷く、隼人が傷ついているように見えた。その証拠に、少しだけ、あたたかいてのひらが震えているように思えた。それがどうしようもなく愛しく思えて、隼人の首に腕を絡めて抱きついた。びくり、と隼人が震える。ちょうど、あたしの口が隼人の耳元にある状態になった。


「ごめん、ね」
「…んで、お前が謝ンだよ…、クソ女」


ふ、と隼人が息を漏らす。笑ってくれたみたいだ。よかった、と顔を綻ばせると、隼人があたしを抱きしめ返して、耳に軽くキスをした。リップ音がやけに近くて、少しだけ体を揺らすと、隼人がまた笑った。ただ、それはいやらしい笑いであるような気がした。その予感は当たっていたらしく、次は隼人が、あたしの耳元で囁いた。


「Trick or Trick 




ハローウィーンにいて
「ちょ、も、隼人、や、やだっ!」「悪戯の選択肢しかないんだよな」「っ、ばかぁー!」







(071105/獄寺/かっこいい高杉をありがとうO田ちゃん大好き!鬼畜にならない獄でごめんなさい)