|
「ねぇ、僕が怖いかい?」 いいえハオ様、怖くなんてありません。ただ、私は貴方が愛しくて堪らないのです。そう言い掛けた唇を、ぎゅ、と強く噛んでその人を見据えた。黒い瞳の中には今にも泣きそうな自分が見えた。(けれどもその黒は、やはり、泣き出しそうなくらいに美しく、) 「そんなに僕が怖いのか」 「ええそうです。怖くて、怖くて、死んでしまいそうなのです」 「ふうん。じゃあ、今すぐ僕に殺されてみるかい」 「いいえ、ハオ様。貴方の手を汚すなんて、そんなこと、」 「あはは、もう綺麗事はたくさんだ。、」 (ああ、それでも、どうして、そんなに優しい瞳を私に向けるのですハオ様!!)スピリットオブファイアがハオ様の後ろに現れ、私を掴み上げた。不思議と苦痛は感じない。そして、すぐ私の目の前に(例えて言うならば、鼻先が触れ合うような距離)その人がいた。淡く微笑んだその唇が、にたり、と大いに歪んだのが視界に映り込む。(なんて美しい三日月!)そして、何故が私は悲しくなって顔を顰めた。視界がじんわりと滲んでいく。まるで世界が崩れていくよう、に。 「そんなに僕を愛しているなら、早くそう言えばよかったのに」
嘘を吐かないで 「ハオ様はとても傲慢です」 「そうかな、」 「ええ。だって、自分だけがこの世界にいればいいんでしょう」 「そりゃあそうさ。僕は未来王になるんだからね」 「私はハオ様を愛しています。けれども、そんな王は要りません」 「ふふ、君は本当に自分に素直だね。」 「お嫌いですか?」 「いいや。愛してるよ」
嘘を紡いで 、君は僕の物だ。だから僕以外を見ちゃいけないし、感じてもいけない。は僕しか見ちゃいけないし、感じちゃいけない。もしこの約束を破ったら、僕は君を殺しに来るから。ああ、でもそれじゃあだめだね。君はそれを心の底から望んでいるみたいだから。じゃぁこうしよう。もし、が約束を破ったら、僕が死んであげる。それならきっと、君を苦しめることができそうだ。ふふ、何で泣いてるんだい。まだ僕は死んでいないだろう?そんなくだらない想像はしなくていい。お前は、僕だけを見ていろ。
嘘を愛して |