承太郎の膝は多分硬い。否、絶対、硬い。何処となくぼーっとしながらテレビ(承太郎にしては珍しくバラエティ番組)を見ている彼の膝をじっと見ながらそう思った。たぼたぼしたジャージ穿いてるはずなのにどうして硬く見えてしまうんだろうか。多分顔のせいだ。(あ、これ聞かれたら殴られそう)ソファに二人で並んで座っている体制から、承太郎に背を向けるようにして座りなおす。承太郎がこちらに気を配ったのをなんとなく感じながら、そのまま後ろに倒れようとした。このままいけば承太郎の膝に頭が着地するはず「うぜえ」がし、と背中に何か硬いものが当たった。承太郎の腕だ。少し腹筋が辛い位置で遮られてしまって腹が痛い。


「っじょ、たろ、腕、どけて」
「そのくらいの腹筋でくたばってんじゃあねーぜ」
「うっさ、いな!!腕どけてよ!」
「フン」


そのまま腕を退ける気がないらしい承太郎に、む、と息を止める。それも一瞬だけで、腹の力を抜いた。ぐ、と彼の腕にすべての体重がかかる。いくらマッチョでもあたしの体重を腕一本で受けるにはきついはずだ!とにんまりと笑えば、やはり少しつらくなってきたらしく「てめ、」と承太郎が唸った。


「なに。腕どける気になりましたかー」
「………」
「…え、拗ねた?」


黙ってしまった承太郎に少しばかり罪悪感に駆られ、そちらを振り向こうとしたときだった、ぱっと背中にあった腕が外された。「ぉあ!?」ぼすん、と変な体制で顔からソファに突っ込んでいた。「てめーはソファと仲良くしてるのがお似合いだぜ、椿」いつの間にかあたしを見下ろすようにしてソファの後ろに立っている承太郎の顔は満足げに歪んでいた。なんて野郎だ!!承太郎の馬鹿、と言いかけて口が止まる。言い返してくると思っていたのか、なんとなく不信げな顔をしている承太郎の顔が真上にある。(ディ・モールトいい位置!)


「っとりゃ!!」
「ッてめぇ…!!」


ガツィン、とすごい音。不意を突き腹筋をフル活用してそのまま勢いよく起き上がったのだ。丁度承太郎の頭(米神あたり)にヒット、と思いきや承太郎の手に止められた。つまり、頭を鷲掴みにされている状態なわけだ。(本当にこの男はあたしを女だと思ってるんだろうか、ああ聞くまでも無いな)そしてこの体制もきつい。さっきよりも酷い。そんなわけで、すぐに承太郎に負けて再びソファに沈んだ。と、そこで意外にも承太郎の体制が崩れた。いきなり力を抜いたあたしに今度こそ不意を突かれたらしい。少しだけ傾いた身体に待っていました、と言わんばかりに起き上がって承太郎の胸倉を掴んだ。そのまま勢いに乗って膝立ちになれば、承太郎の顔が目の前にきた。


「…、」
「あっはは、奪っちゃったー!!」


これが普通の流れ、と一瞬だけ重ねた唇にふざけて笑えば、固まった承太郎の顔があった。その反応に自分まで恥ずかしくなって「は、初めてなわけでもないんだから、さー」と誤魔化せば、次は承太郎に胸倉を掴まれた。ガッ、と音がするほどの勢いだったにも関わらず、服が破れなかったのは奇跡だ。恐る恐る承太郎の顔を見ると、恐ろしいまでに笑った承太郎が、いた。(わ、笑ってるってちょっと待ってなんか花京院っぽい笑いじゃないですか、あのやろう承太郎になに教えたんだ…!!)


「え、ちょ、」
「そんなに奪いてーなら、この空条承太郎が直々にやってやろうじゃねーか」
「は?わけわかんないです承太郎さ、」
「ちったぁ黙ってらんねーのか。犯すぜ」
「っご、ごめんなさ、」
「却下」
「え、っや、」


そして、暗転。彼が根に持つタイプだということを忘れていました。
(教訓:承太郎に不意打ちは危険である)(何故ならお仕置きターイムが待っているからだ)





円形トランキライザー




(080404//承太郎//まさかこんな展開になるとは思ってもなかった。膝枕関係n(ry )