|
何が悲しくて彼氏の家の広い居間で相撲中継を見ていなくちゃいけないんだ。さっきから何度声をかけても反応しない承太郎をじと目で見ながら溜息を吐いた。確かに相撲が好きで千代の富士が好きだとかいう話は聞いていたけれどここまでとは思ってもいなかった。(だいたい彼女より相撲って何。彼女<相撲か。むしろ彼女<相撲≦千代の富士なのかな。どっちにしたって遣る瀬無いです)もう一度溜息を吐く。さっきより大きく吐いたのに、承太郎はやっぱり見向きもしない。こうやって二人っきりでそれもこういうプライベートな場所にいるんだからもっといちゃいちゃしてラブラブしてもおかしくないんじゃあないかな。そこまで思って相手が承太郎じゃそれも望めないか、とやはり溜息。もちろん彼の隣にいれるだけであたしは幸せだけれども、やっぱりそれ以上を望んでしまうのが人間というものだ。(だから強欲とか言われる覚えは無い、はず)のこったのこったのこった、というお馴染みの言葉をバックミュージックにしながらぱしんぱしん、と肉の弾き合う音。どこらへんが面白いんだろうか。女のあたしには不思議だけれど、花京院くんも「おもしろいよ」と言っていた気がする。あれは意外だった。花京院くんがそうなら、男の子はみんな相撲が好きなんだろうか。あああ話がずれてしまった。とにかくあたしは承太郎とラブラブしたいわけでありまして決して一緒に相撲中継を見たいわけじゃあないのです!!例えば膝枕するとかされるとかなんか色々あるでしょ、と思ったところでもう一度頭の中で単語を反復する。膝枕。恋人といえば膝枕。うん、そうだ膝枕だ!三度反復してとうとう決心した。これは半分承太郎のせいでもあるわけだから別にしてもいいよね、と1人で納得した後、ちらり、と承太郎を盗み見る。やっぱり相撲中継に夢中だ。本当にここまで夢中だと泣けてくる。もういいよやってやる!!と半ばヤケクソで承太郎の膝に頭を置いた。反応は、返って来ない。ここでとうとうあたしの意識は少し遠のいた。(ちょっと待って、どう考えてもおかしいでしょだって膝に頭置いてるんだよ、どうして胡坐かいて座ってる承太郎は気付かないって、本当にこの人喧嘩強いのかな。もうあれじゃない、ラジオで相撲中継流しながら承太郎に喧嘩吹っかけたら絶対勝てるよ全国の不良さんたち。きっとそれくらいだ絶対そうだ!!腹いせに今度花京院くんとホリィさんに教えてあげようかな。いざというときに使って、とかなんとか言ってさ!うんいけそうだ。絶対言ってやる)硬い承太郎の膝に少しだけ顔を顰める。数秒後、でも一応膝枕だよね、となんとなく嬉しくなって口元が緩んだ。それを境に、少しずつ眠気に沈んでいく意識を感じた。硬くてもあったかい承太郎の膝はとても安心する。自然に閉じてしまった瞼を上げることは正直に無理だった。おやすみ承太郎のばか、そっと呟いて意識を手放した。 垂直サイデケリック 相撲が終わって、気付いたらが俺の膝に乗っかってた。こういうときはどうすりゃあいいんだ。 できたら今すぐ教えて欲しい。 (080404//承太郎//最後は承太郎視点。さん不憫すぎますww) |