最近、よく夢を見るようになった。晋助の夢。幸せすぎて、生きているのが嫌になるくらいの、夢。それはいつも同じように始まって、同じように終わる。夢とは、そんなものなのだろうか。「」晋助は滅多に呼ばないわたしの名前をこれ以上なく優しく呼んで、わたしに手を差し伸べる。「」わたしは嬉しくなってその手を取る。「晋助」その手の温度に次はわたしが彼の名前を呼ぶ。「」彼の瞳は優しくて、きれいで。「」彼の声は低くて、心地よくて。「」わたしはなんて幸せ者だろう。「」だって、わたしはこんなにも晋助に、「あいしてる」そして、夢は終わる。わたしが一番望んでいたあの言葉を言ったのは、わたしなのか、晋助なのか、それすらも分からずに。毎回、清清しく目が覚めるわたしはもう一度視界を黒に染める。あの晋助を、もう一度。けれど、眠れないのだ。あれが、ただの夢だと分かっているから。現実、晋助には好きな子がいる。それは勿論、わたしじゃなく。可愛いくて、明るくて、みんなから慕われてる、あの子。わたしじゃ、ない。わたしじゃ、ないのだ。(変わりませんこの事実はわたしを絞め殺すために生まれてきたのですわたしは、)
What's called crying for the moon.

(080916)